大判例

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神戸地方裁判所 昭和39年(ワ)1012号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕一、《証拠》を合わせ考察すれば、被告は本件加害自動車の運転者訴外文創周を雇用し自動車の運転業務に従事させていたものであり、本件加害自動車は被告の所有にかかるところ、被告は本件事故日の二日前である昭和三六年八月二七日から本件加害自動車を前記(千葉清次)に運転手付で一日の賃料を金七、〇〇〇円・ガソリン代は借主負担の約で賃貸し、千葉組のため右工事の土砂運搬作業に従事させ、さらに本件加害自動車のほかにショベルカー(バックボーンともいう)を被告雇用の運転手付で賃貸し、右同様千葉組の土木作業に従事させていたこと、被告はこれまでにも同様の形式で訴外千葉組等に対してダンプカー・ジョベルカーを賃貸していたことの各事実が認められる。そして右事実によれば訴外文創周は被告の命によりその雇傭契約上の義務の履行として前記の運転業務に従事していたものであり、かつ土木請負業を営む被告が土木工事用機械器具を運転手付で反覆的に有償貸与する行為は、それ自体一種の営利行為であつて本来の業務に附随もしくは関連する業務行為というを妨げず、そして本件事故が被告の被用者訴外文創周の運転上の過失によるものであることは前に認定したとおりであるから、被告は民法第七一五条により本件事故の結果原告らに与えた損害を賠償すべき義務があるものといわなければならない。

二、同原告が土木工事中の本件事故現場に自転車で入りそこで自転車(チェーン)の修理をしていたため本件加害自動車が後退してくるのに気がつかなかつたことが事故発生の一因をなしたものといわなければならず、同原告は当時幼少であつたとはいえ既に八才で小学校の三年であつたのであるから、現場の北側入口にはショベルカーが置かれ工事人夫ら数人が土木作業に従事している現場の状況からみて現場の中を自転車を押して通行することが危険であること、その危険を避けるためには自分自身が人夫や機械の動きに注意して敏捷に危険のない行動をとらなければならないことを知り、その判断に従つて行動すべき能力を或る程度有していたと認められるので右工事現場の中でかがみ込んで自転車の修理に気をとられていたことは、同原告の不注意であり、右慰藉料の算定につき斟酌すべき一事情といわなければならない。

<中略>

被告は、原告趙の監督上の過失を主張するけれども、原告李の年令、知能等の点からみて、同人の行動につき監護者が自ら付添い或は自己に代るべき保護者をつけなければならない場合であるとはいいがたく、他に親権者である趙に監督上の過失があつたと認め得る事実の主張立証がないので、右監督上の過失を理由とする過失相殺の主張は認容できない。

(原田久太郎 中川幹郎 三谷忠利)

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